Google (NASDAQ:GOOG) は4月27日、無料の 3D デザインツール『Google SketchUp』を公開した。
Google は3月、3D デザインツール『SketchUp Pro 5』の開発と販売を手がけていた @Last Software の買収手続きを終えており、今回無料公開した Google SketchUp はその成果だ。
SketchUp Pro 5 は有料の商用向け製品で、今も販売中だ。景観モデリング機能を備える点や、対応 3D オブジェクト
ファイル形式の豊富さなど、無料版の Google SketchUp と比べて高機能な
ソフトウェアだ。価格は495ドルとなっている。
一方、Google SketchUp は、あくまでも個人利用に限定した無料バージョンで、対応する 3D オブジェクトファイル形式は『KMZ』しかない。KMZ は、Google の
地図情報クライアント『Google
Earth』独自ファイル形式だ。そのため、建築物の 3D データを Google SketchUp で作成し、Google Earth に取り込むことができる。
しかし、無料提供という形は、概して優れたビジネスモデルと言えない。
@Last 買収後、Google は主要収入源の広告にもっと集中し、「アッと言わせる」要素を秘めているというだけの技術買収は止めるべきではないか、との声がアナリストたちから上がっていた。
だが、@Last 買収に伴い Google に移籍した SketchUp 製品管理ディレクタの Brad Schell 氏は、Google SketchUp や Google Earth を直ちに収入源化するかという悩みを抱いていない。
Schell 氏は Google に加わったばかりだが、@Last にも同じ理念があったため、すでに Google の考え方にすっかり馴染んでいるようだ。
しかし事情通ならば、すでに分かっているだろう。Google はこれまでも、この手を使ってきた。
Google が検索サービスを開始した後、数年間、検索結果に広告は表示しなかった。これはつまり、ユーザーにとって Google による検索が習慣化するのを待ったということだ。
同社は、Google Earth の姉妹サービス『Google Maps』でも、同じパターンを踏襲している。
Google Maps は、2005年2月にベータテストを開始し、同年10月に『Google Local』が吸収する形で統合した後、今年4月に馴染み深いという理由で、統合版 Google Local の名称を Google Maps に改めて正式運用を行なっている。その Google Maps でも、今年3月に入るまで地図上に表示する広告は掲載していなかった。
Google SketchUp の無料提供は、新しいユーザーを引き寄せる可能性がある。それは、すでに高い人気を得ている Google Earth に、拡大してじっくりと眺めるコンテンツ (3D オブジェクト) が増えることを意味する。そして Google が、3D オブジェクトも広告スペースとして提供するならば、広告
クリック、すなわち広告売上が増える可能性を秘めている。
これは、衛星/航空
写真で識別できる巨大広告
メッセージを作成し、Google Earth 上の広告露出を狙うという話よりも、現実味のある話と言えるかも知れない。
Google が買収した Keyhole の元 CEO で、現在は Google Earth および Google Maps 製品マネージャの John Hanke 氏は取材に対し、いずれ収入源化する必要性があると理解している、と述べた。